日本のものづくりを貫くシグマのカメラとレンズ
革新をとらえた唯一無二
1976年にはシグマ初となる一眼レフカメラを発売している。
時代はまだ銀塩フィルムが全盛だった。
2002年には世界初のフルカラーダイレクトイメージセンサーFoveon X3 搭載のデジタル一眼レフカメラSIGMA SD 9を発売する。
1976年には独自の一眼レフカメラを発表している
同じ年にデジタル一眼レフカメラを発売していたのは、ニコン、キヤノン、FUJIFILM、コンタックスだけである。
時代は銀塩フィルムから、デジタルへと変わりつつあった。
この好機をとらえてシグマはデジタルカメラを精力的に開発していく。
Foveon X3センサーを搭載したシグマのデジタルカメラたち
2008年にはSIGMA DP1を、2011年にはSIGMA SD1を、2015年にはSIGMA dp Quattro(クワトロ)を、2016年にはSIGMA sd Quattroと次々にデジタルカメラを発売している。
フィルムの役割を果たすのが、デジタルカメラではセンサーである。
シグマのカメラはFoveon X3と名付けられたフルカラーセンサーを搭載している。
FoveonX3センサーは、光の波長特性を利用し、シリコンの異なる深さに3つのフォトダイオードを配置して色分離する垂直色分離方式を採用した唯一のフルカラーセンサーである。
垂直方向に配置された3層(トップ、ミドル、ボトム)が短波長(主に青)、中間波長(主に緑)、長波長(主に赤)の光をとらえることで、全ての色情報を得ることができる。
では、他のデジタルカメラのセンサーはどうか。
光を取り込むセンサー自体が、そのままでは色情報を取り込むことができず、光の強弱だけを取り込むモノクロームセンサーであるため、1画素相当のフォトダイオードの上に、光の3原色である赤・緑・青(R・G・B)を市松模様状に配したカラーフィルターを置いて、各画素あたり1色のみの情報を取り込むしくみになっている。RGBそれぞれのフィルターを通過した光はそれ以外の色を感知しないため、近隣の色情報から演算処理によって補完した画像を生成している。
自然界の光色彩の成分の全てをセンサーで受け取れるのがシグマのカメラなら、演算処理によって、光色彩を再合成しているのが他のデジタルカメラである。
FoveonX3センサーは精緻な描写力を持っている
こう紹介すると、シグマのデジタルカメラは、うそをつかないカメラだといえる。
そこに、素晴らしさと落とし穴とが同居する。
プロの写真家は言う。
「ホームランか、三振か。そのどちらかしか撮れないのがシグマのカメラだ」
センサーが繊細なため、わずかなブレやピントのずれをそのまま描写してブレぼけの写真になりやすい。
シグマのデジタルカメラを構える山木和人社長
スマートフォンのカメラ機能のように、手軽に一枚をとシャッターを切ると、三振の写真になりやすいのである。
あえて言うなら、記録ではなく、作品を撮るためにシグマのカメラはある。
プロの写真家は言う。
「ホームランは打ちに行く。偶然のホームランはない。シグマのカメラは写真家が意識して、ホームランを打つための最上の道具だ」
「最上の道具」といわれるセットアップ
風景を撮る。わずかなそよ風。森林の鼓動。湖の静寂。暮れゆく陽の光。しぶきに含まれる潮の香り。山岳の荒々しさ。垂直滝の落ちる水音。三日月の暗と明のわずかな境目。
人物を撮る。思考。呼吸。ためらい。肌に刺す光の陰影。次の動作への予感。
シグマのカメラで撮影した写真は、画像が物語をかもし出すのである。
記念撮影とは次元が異なるのがシグマのカメラだ。
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