日本のものづくりを貫くシグマのカメラとレンズ

 

 

エコノミークラスからファーストクラスへ

 

株式会社シグマは1961年に創業された、カメラとレンズのメーカーである。
創業者は故山木道広で東京都世田谷区に有限会社として数人で設立した。

 

まずはレンズの歴史を追いながら、シグマを見てみよう。

 


世界のファーストクラスと認められた交換レンズ群

 

創業当時にヒットしたのは、リアコンバーター(レンズとボディーの間に装着して焦点距離を伸ばすアイテム)だった。

 

銀塩フィルムが全盛の頃は、廉価版の様々な交換レンズ(ニコンやキヤノン等のカメラに装着する)を開発するメーカーとして、名を馳せていた。

 

しかし1970年代は、日本製ではニコン、キヤノン、ペンタックス、ミノルタ、オリンパスが居並ぶ時代で、シグマのレンズやカメラはエコノミークラスと見なされていた。

 


シグマ独自のセンサーFoveon X3を搭載したデジタルカメラ

 

シグマのレンズは、ニコンやキヤノンの純正レンズが高価で手が出せない人たちにとって、安価に購入できるエコノミークラスのレンズだった。

 

シグマといえば、エコノミークラスのレンズ。

 

いまでも70年代、80年代、90年代に銀塩フィルムを入れる一眼レフカメラを手にしてきた人たちには、そうした先入観が残っているかもしれない。

 

そんなエコノミークラスに安住することなく「もっと上を、もっと上を」と開発の手を緩めないで邁進してきたところに、現在のシグマのレンズとカメラがある。

 


カメラのレンズは何群にもなっている

 

2012年には、交換レンズをArt、Contemporary、Sportsの3つのカテゴリーに分け、それぞれ明確なコンセプトを持ったSGVシリーズをリリースした。

 

ここからシグマのレンズは日本のみならず、世界を席巻していくことになる。
日本には純正主義がこれまで多かった。

 

ニコンのカメラにはニコンのレンズ、トヨタの自動車にはトヨタの部品。パイロットの万年筆にはパイロットのインク……。挙げればきりがない。

 

だが、パソコンの使い方になじむあたりから、純正主義は変わってきたように思う。

 

たとえば富士通のパソコン本体に、EIZOのモニター、ロジクールのキーボードやマウス、アイオーデータの外付けハードディスクなどという組み合わせであっても、不具合が起きることはない。機能が低下することもない。むしろ自分好みのパソコン環境が実現する。
私などは日本製のパイロットの万年筆に、ドイツ製のローラーアンドクライナーのインクを好んで入れている。ペン先は信頼のパイロット製で、ヨーロッパ独特の深い発色が美しいローラーアンドクライナーのインクはベストマッチだと思えるからだ。

 


シグマ会津工場に並ぶSGVレンズたち

 

プロの写真家は言う。

 

「アメリカの写真のプロたちは、こぞってシグマのレンズを使っています。操作性、描写力ともにプロのニーズに合うと彼らはシグマのレンズを評価しているんです」

 

なかでも、Artシリーズをキヤノンやニコンのカメラに装着しているシーンに出会うことが多いという。

 

日本でも、プロの写真家のなかにはシグマのレンズを愛用している人が多くいる。

 


レンズとなる硝材のオブジェ

 

優れた品質を持っている製品であれば、ベストマッチを目指して、カメラ本体に非純正のレンズをつける。それが当たり前になっているのである。

 

時代の変化が、価値観の変化が、シグマの革新と一致し始めたのである。

 


 

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